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2024年12月1日(日)

日本共産党常任活動家追悼式

市田副委員長のあいさつ

 東京都八王子市の上川霊園で29日にあった「日本共産党常任活動家の墓」第39回合葬追悼式で、市田忠義副委員長が行ったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)中央委員会のあいさつをする市田忠義副委員長=29日、東京都八王子市

 「日本共産党常任活動家の墓」合葬追悼式にあたり、日本共産党中央委員会を代表してごあいさついたします。

 中央委員会がこの八王子の上川霊園に墓碑を建立し、第1回の合葬追悼式をとりおこなったのは1986年でした。党員の石材業者から寄贈を受けた墓石には、当時の宮本顕治議長の揮毫(きごう)により、『不屈の戦士ここに眠る』の碑文が刻まれています。第2回合葬追悼式では、小林多喜二、野呂栄太郎、市川正一など戦前の弾圧に倒れた同志たちへの哀悼の意を表し、銘板にその名を刻んで納めました。昨年の第38回合葬追悼式では、発刊された『日本共産党の百年』で、その不屈の生涯が紹介された飯島喜美、高島満兎、田中サガヨ、伊藤千代子の4人の女性党員が、新たに合葬されました。私たちは、こうした先人たちの不屈のたたかいのうえに今日の日本共産党があることを、決して忘れてはいません。

 合葬追悼式は、今回で39回を迎えました。今回新たに合葬された方々は、先ほどお名前を紹介した187人の方々です。これまで合葬された方々と合わせて、5480人となりました。全国各地で日本共産党の旗をかかげ、それぞれの任務と役割は違っても、国民の苦難軽減と希望ある未来のために、献身的にたたかいぬいてこられたお一人お一人の生涯に、深い敬意と感謝をささげます。

 日本共産党の102年の歴史には、順風満帆な時期はひとときとしてありませんでした。常にさまざまな迫害や攻撃に抗しながら、自らを鍛え、成長をかちとり、新たな時代を開く、開拓と苦闘の102年でした。きょう合葬された187人の方々のお一人お一人の党員人生もまた、こうした開拓と苦闘の歴史の一部を構成するものでした。

 ご遺族のみなさんには、きょうこの場にお集まりいただくことはできませんでしたが、ご遺族のみなさんと思いを共にしながら、合葬された方々への同志的連帯と深い尊敬をこめて、中央委員会としての哀悼の言葉を申し上げます。

 今回の合葬追悼式は、急な解散・総選挙を考慮して日程を調整したため、総選挙直後の開催となりました。総選挙の結果とその後の情勢に日本共産党がどう立ち向かおうとしているかについても、幾多の先人たちが合葬されているこの墓前で報告させていただきたいと思います。

 今回の総選挙で日本共産党は、沖縄1区で赤嶺政賢さんの宝の議席を守ることができましたが、比例代表選挙で9議席から7議席に後退したことは本当に悔しく残念な結果であり、責任を痛感しています。

 同時に、総選挙全体の結果を大局的にみると、今回の結果は、自民・公明政権に対して、国民が歴史的審判を下したものといえます。わが党は、この歴史的審判を心から歓迎するものです。この歴史的審判をつくりだすうえで日本共産党と「しんぶん赤旗」が大きく貢献したことを、誇りをもって報告いたします。

 ただ、「自民党政治に代わる新しい政治」の中身について、国民の結論が出ているわけではありません。国民が自民党政治に代わる新しい政治を模索し、探求する「新しい政治プロセス」が始まったといえます。「自民党政治から抜け出して新しい政治をつくりたい」―選挙でしめされた民意のベクトルの向きははっきりしています。この民意にこたえることができるのは誰なのか、いま各党が試されています。

 日本共産党は、この「新しい政治プロセス」を国民とともに前にすすめるために、国民要求にもとづく運動をあらゆる分野で起こし、その実現に力を尽くすこと、そのなかで自民党政治に代わる新しい政治とは何かを、綱領を手に広く語り合うことを基本姿勢に全力をつくすものです。

 「新しい政治プロセス」を前にすすめるための不可欠で決定的な推進力が、日本共産党の政治的躍進と強く大きな党づくりにあることは言うまでもありません。

 来年半ばには都議選、参院選があります。自力の不足を打開する党建設の意義は、選挙勝利にとどまるものではありません。日本の社会変革の事業において党の任務を果たし続けられるかがかかった死活的課題です。そのためには、一刻の猶予もなく広い有権者のなかに打って出る、一刻の猶予もなく党づくりを開始することが必要です。

 そのために私たちは、第4回中央委員会総会を待たずに、今月15日に全国都道府県委員長会議をひらきました。そこでは、常任幹部会としての中間的な選挙総括を明らかにし、それも生かしながら、都議選・参院選勝利をめざす活動と党建設を一体にすすめる方針を打ち出しました。いま全党は、その討議・具体化・実践に足を踏み出しています。

 「新しい政治プロセス」のもとでの日本共産党の任務は明確です。ただ、それをやりぬいて国民への責任を果たしていくことは、並大抵のことではありません。一筋縄ではいかない苦闘と開拓をともなう一大挑戦になります。

 しかし、私たちは、ここに合葬された幾多の先人たちの足跡に思いをはせ、日本共産党の102年の歴史に貫かれた不屈性、先進性、科学に立脚した不断の自己改革の努力などの革命的伝統を思うとき、無限の勇気と開拓者精神が胸にあふれます。何としても強く大きな党をつくり、きたるべき政治戦に勝ち抜き、国民から課せられた日本共産党の使命を果たすため全力をつくす決意です。

 最後に、合葬された故人と労苦をともにしつつ、励まし支えあってこられたご家族のみなさんのご苦労に、改めて感謝とお礼を申し上げます。ご遺族のみなさんが、悲しみを乗り越え、お元気で過ごされることを心から願ってごあいさつといたします。


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