2024年11月28日(木)
イスラエル、ヒズボラと停戦
レバノン 60日で段階的撤退
【カイロ=秋山豊、ワシントン=洞口昇幸】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの停戦が現地時間27日午前4時(日本時間同11時)に発効しました。
停戦を巡っては、レバノン政府とイスラエル政府の交渉を、米国と、レバノンの旧宗主国フランスが仲介してきました。イスラエル政府は26日、安全保障閣議を開き、停戦案を承認。これを受けてバイデン米大統領は同日、首都ワシントンのホワイトハウスで、イスラエルとレバノンの両政府が米国の停戦案に合意したと発表しました。
米国政府の説明によると、停戦合意では、今後60日間でイスラエル軍が段階的にレバノン南部から撤退し、それに伴いレバノン国軍がイスラエルとの国境地帯に展開します。ヒズボラなど武装勢力は、イスラエル国境から約30キロ北を流れるリタニ川以北に撤退。それ以南の地域での拠点の再建は認めません。
バイデン氏は停戦合意について「敵対行為の恒久的な停止」を目指すものだと述べ、ヒズボラなどが「イスラエルの安全を再び脅かすことは許されない」と強調しました。
他方イスラエルのネタニヤフ首相は、「米国の完全な理解の下で、軍事行動の完全な自由を保持している」と述べ、ヒズボラの停戦違反があれば攻撃すると語りました。
レバノンのミカティ首相は、バイデン氏との電話会談を受け、「レバノンに平穏と安定を確立し、避難民が自宅や街に戻るための土台となる一歩だ」と歓迎。イスラエルに、停戦合意の順守と、全占領地域からの撤退を求めました。