2024年11月27日(水)
任命拒否文書 存否明確に
学術会議会員人事で原告側
東京地裁 口頭弁論
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2020年に菅義偉首相(当時)が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題で、この6人や支援者ら約170人が原告となり、任命拒否の経緯や理由を記した行政文書の開示などを国に求めた訴訟の口頭弁論が26日、東京地裁(鎌野真敬裁判長)でありました。
国側が提出した書面によると、杉田和博官房副長官(当時)が会員の選任方法に懸念を持つ菅氏の意向を受け、6人を除いた99人を任命する件について相談。その内容を了承することを菅氏が直接判断して「副長官を通じて内閣府に伝えられた」としています。
また、首相や官房副長官を含めた行政機関の職員が意思決定をする際は、一般的に「文書を作成する義務を負う」との見解を示しました。
国側に対し、原告側は「首相が6人の固有名詞を認識した上で外す判断をしたのか」などの問いに答えていないと指摘。この問いの回答と合わせて「相談や伝達に関する文書の存否」を明らかにすることを求めました。
首相への会員候補の推薦は、氏名(補欠の場合は任期も)を記載した書類によって行うことのみが内閣府令で定められています。
原告側の記者会見で、米倉洋子弁護士は「(候補者の経歴などが書かれた)学術会議の内部資料が判断材料になったのなら重大な問題だ」と指摘しました。
菅氏に任命を拒否された東京大学の加藤陽子教授は「(会員候補は)日本学術会議法に基づいた人事で選考される。法が守られていたのかを聞いていきたい」と語りました。