2024年11月26日(火)
爆音・低空飛行 中国山地 被害増大
米空母艦載機配備で
授業妨害や安全高度違反?
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)の米原子力空母ジョージ・ワシントン(22日配備)の艦載機として新たに配備された最新鋭のF35Cステルス戦闘機1部隊と、従来の艦載機FA18E/F戦闘攻撃機の3部隊が米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に到着したと、在日米海軍司令部が18日発表しました。2018年までに完了した岩国基地への米空母艦載機移転などのもと、中国地方の山間部で戦闘機訓練による爆音被害や危険な低空飛行が増大しています。
なかでも島根県では70デシベル以上の年間航空機騒音件数は、23年に1851件と艦載機移転前の17年(842件)の2倍以上に上っています(グラフ)。今年は3月時点で751件に達しており、23年を大幅に上回るペースです。
とりわけ、米軍訓練空域「エリア567」直下の山間部に位置する同県浜田市旭町では23年に570件を記録。17年(107件)の約5倍、18年(41件)の約14倍にまで増えています。
浜田市によると、旭町内からは、「中学校で学力調査のときに騒音のためにヒアリングの放送が聞こえなかった」「入学式、卒業式のときに名前を呼ぶのが聞こえなかった」「騒音があって授業が止まった」などの被害が報告されています。
旭町では、市旭支所や町内の認定こども園から、FA18やF35が飛行する姿が確認されており、岩国配備の戦闘機が訓練を繰り返していると見られます。
米軍機の低空飛行訓練目撃等の件数も増大しています。浜田市全体では22年に291件と17年の101件の約3倍を記録しました。291件の約85%を旭町(248件)が占めました。
航空法の施行規則では、最低安全高度を「人、家屋の密集地域で300メートル」などと定めています。しかし、浜田市など3市2町で構成される「米軍機騒音等対策協議会」は今年5月、政府などに提出した要望書で、「中には最低安全高度が守られているのか疑わしい低空飛行も確認されている」と訴えています。
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